【ES、志望動機】野村證券の総合職C(インベストメント・バンキング)で、内定をもらうために必要なこと

1. まずは最低限、外資就活の情報はチェックしているか?

そもそも、IB(インベストメント・バンキング)は情報産業である。

クライアント企業はどのような会社を買いたがっているか、また、競合の投資銀行はどのようなアプローチをしているか、といった情報収集力が勝敗を決する業界であるので、情報弱者には向いていないビジネスである。

したがって、外資就活とか、ワンキャリアとか、ライバルとなる高学歴の学生が登録・チェックしているような情報を押さえておくというのは当然の前提となる。

しかし、外銀以上に、野村證券の総合職C(インベストメント・バンキング)に関する情報は極めて限定されている。

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2. 2019年卒向けのエントリシートを見てみよう

まずは、公開情報からチェックしていこう。

実は、2019年卒向けのエントリーシートの記載事項が、それまでの年次のものと変わったところが2点ある。

1つ目は、印象に残るM&A等についてのコメントが消えたこと。

2つ目は、リーダーシップとチームに関するコメントが新設されたことだ。

それについて、以下、推察してみる。

①報道されたM&A等に関する意見が求められなくなったこと

まず考えられるのが、志望者の記載がレベルが低かったり、コピペ的なものが散見されたために、選考資料としての使い勝手が悪かったことである。

しかし、採用の裏側の者の視点で考えると、選考資料としての効率性が悪かったのだろう。

というのは、M&A等の報道に基づく記載があると、一応それがどんな報道かとか、真偽とかについて調べないといけないので、面倒臭いからである。

また、中には気取ってアメリカの事例とか専門用語を散りばめた作文をする学生もいるだろうから、非IBDの人事の若手社員では専門知識的に評価するのが難しかったりするのだろう。

野村證券のような経団連企業で新卒一括採用する企業にとっては、新卒採用の時期はとにかく人手が足りない。

従って、選考のキーとならないようなプロセスについてはなるべく効率化したいというのは当然である。

よって、面倒な記載事項は削除し、代わりに以下のような当たり障りが無い項目に変更したのであろう。

②リーダーシップやチームに関する事項の新設

極めて当たり障りが無く、何の面白みも無い記載事項である。従って、この内容が合否を決するようなものではない。注意するところがあるとすれば、文章力だろう。

何を書いているのかよくわからない、ひどい日本語だと落とされる可能性がある。高学歴の学生であっても、わかりやすい文章を書くことになれていない人たちもいるから、それは要注意である。

ちなみに、野村證券に限らず、IBDの人は、全般的に「リーダーシップ」とか「チームワーク」といったHRM的な蘊蓄にはあまり関心がない。

何故か?

それは、IBDというか証券会社自体、歴史的に「収益(結果)が全て」、「頑張らなくていいよ、結果だせば。」という業界なので、抽象的なスローガンとかプロセスには興味が無いからだ。

この点は、コンサルやリクルートとの大きな違いである。

例えば、IBDでなくとも営業の人でもいいので、証券会社の課長以上の人に、「チームワーク或いはリーダーシップに関するお考えをお聞かせ下さい」と聞いてみたらよい。

まず、気の利いたまとまったコメントがすらすら出てくることは無いはずだ。

反対に、「もっとも儲かった案件についてお聞かせ下さい。」と聞くと、いくらでも話してくれるはずだ。

そういうわけなので、チームワークやリーダーシップに関する質問は、難しい専門書をコピペする必要は無く、自分の言葉でわかりやすい日本語で記載することを心掛けた方がいいだろう。

ここは無理して勝負するところではないのだ。

3. とりあえず、OB訪問をしてみよう

IBDは、営業・対人ビジネスである。

いろいろな人に会って、必要な情報を聞き出し、求められていることを答えられなければならない。

従って、本気で野村證券の総合職C(インベストメント・バンキング)を目指すのであれば、当該ポジションに就いているOBに会って話を聞いてみることが必要だ。

会ってもらうOBは、別に採用関係である必要は無い。

最初はインフォーマルな形で、ざっくばらんに本音でいろいろ話を聞ける方がいいだろう。

別にタイトルは上である必要は無い。MDクラスだと話しにくいし、他方、入社2~3年目の若手だとまだまだわかっていないことが多いからである。

30前後のシニアアソシエイトとかVP位が丁度いいが、見つからなければ、それは問題ないし、IBDの先輩でなくても、営業とかマーケット関係でも、十分に有用な話は聞けるだろう。

そうした機会において、エントリーシートの記載事項について聞いてみれば、大いに参考になるはずだ。

冒頭で述べたように、IBDというのは情報産業であり、外交ビジネスである。

従って、いかに充実したOB訪問ができるかどうかというのが勝負の分かれ目になってくるので、ここは注力するところである。

4. 内定をもらうための基礎的スペックの醸成

OB訪問を開始するタイミングと、時間的に前後するが、野村證券の総合職C(インベストメント・バンキング)コースで内定をもらうためには、十分な基礎的なスペックを醸成して置かねばならない。

何と言っても、外銀に次ぐ難易度であるし、採用枠も少ないので、基礎的なスペックが不十分だと、ES段階ではねられて終了である。

揃えておくべきスペックの例としては、以下のものが挙げられる。

①学歴について

野村證券は実力主義で知られており、メガバンクのように東大ばかりが幅を利かせている会社ではない。

しかし、総合職C(インベストメント・バンキング)は特殊な世界であり、競争率も高いので、採用の効率化のためにも学歴は重要だ。

野村證券のIBDの場合は、東大はやはりある程度優遇される。

従って、東大法学部と慶応商学部だと、全く同じように扱われることはなく、東大法学部が優位である。

このため、慶応商学部の学生は、どうしたら東大法学部に「書面」の段階で勝つことができるかを真剣に考えなければならない。

例えば、短期留学経験有りでTOEIC900といったものがあれば、学歴以外に特徴が無い東大法学部に、「書面」段階においては、対等以上に戦うことができるだろう。

もっとも、野村證券の総合職C(インベストメント・バンキング)の場合だと、外銀と併願する者も少なくないだろうから、東大法学部+英語堪能、というのは普通にいるので、そこは厳しい所である。

②英語について

先ほど学歴の個所で触れたが、総合職Aと違って総合職Cを真剣に狙うのであれば、英語位は早い段階で何とかしておく必要がある。

外銀と違って、英語の面接は無いので、TOEIC860点は欲しい所だが、最低限800点あれば何とかなるだろう。

この程度であれば、大学入学後、受験英語を忘れていない間に1年位頑張れば、余裕で取ることができるだろう。

もちろん、英語ができないと内定をもらえないわけではないが、高学歴の自信たっぷりの学生達と戦うのであるから、予めて手を打てるところは打っておきたい。

ちなみに、野村證券のIBDの社員は全員英語ができるわけではない。

英語が外銀で働ける位堪能な社員の割合は、2~3割程度ではないだろうか?

しかし、総合職Cで新卒でIBDを保証されて入社するためには、英語は何とかしておきたい。

③証券ビジネスにおける興味

エントリーシートの記載事項からは削除されたが、M&AやIPOなど、証券ビジネスに対する興味、好奇心は持っておいた方がいい。

というか、そもそもIBビジネスに興味があるから、わざわざ総合職Cを受けるのであろうから、常日頃から、証券ビジネスについては関心を持っておいて欲しい。

もちろん、知識は求められないし、下手に知ったかぶりをすると好感度が下がってしまうので、そういう付け焼刃的な対応は不要だ。

ただ、5~6次面接位まである厳しい戦いなので、本当はコンサルとかネット系が本命で、いちおう、腕試しで総合職Cを受けてみたという学生は厳しいだろう。

本当に、IBをやりたいかどうかについて、メッキがはがれてしまうからだ。

従って、日経新聞、経済3誌(週刊東洋経済、週刊ダイヤモンド、日経ビジネス)、日経ベリタスあたりは目を通しておきたい。(大学の図書館で読めるのでは?)

(なお、証券会社の人は、NewsPicksみたいなコンテンツよりも、東洋経済、日経ビジネス的なコンテンツを志向する人が多い。その意味では、古くてコンサバな業界である。)

5. 何かこれといったコアスキル(経験)を持っておきたい

これは、野村證券総合職C(インベストメント・バンキング)に限った話ではないが、外銀、外コンといった最高難易度の企業を目指す学生に共通して言えることだが、何かこれといったスキル(経験)を1つ用意しておきたい。

高学歴で、一通り礼儀正しく普通に面接できる学生であれば、普通に大企業からは余裕で内定をもらえるだろう。

ましてや、英語力/留学経験があればなおさらだ。

しかし、超難関企業の場合には、そういった学生ばかりが集まるので、何かしら個性が欲しい。

それについて、以下コメントしてみる。

①バイト、サークル、ゼミがダメな理由

定番のこのネタが絶対ダメだという決まりはないし、これらのネタで、外銀や外コンから内定をもらった学生もいるだろう。

しかし、よく考えて欲しい。自分がもし面接官の立場だったら、ありふれた退屈な話を聞きたいだろうか?

面接官にとっては、存在しているかどうかすらわからない塾の生徒の成績が上がったことは興味は無いし、そもそも塾なんて業界興味が無い。

また、非営利団体のサークルなんて、部員が何人いようが関係が無い。

副代表で100人まとめたからといって、部下を100人持てるのは、外銀なら日本の拠点のIBD全体のヘッドクラスだし、外コンだったら拠点長レベルである。

また、何の金にもならない、聞いてもよくわからないゼミの研究テーマなんてどうでもいい。

そのあたりを考えて欲しい。

②打ち込んだことは趣味だっていい

学生時代に打ち込んだことは、趣味でも敵わない。

例えば、鉄道関係であれば東京メトロの全駅を制覇したとか、ゲームであればパズドラでレベル700まで行ったとか、ラーメンであれば山の手線の名店100か所行ったとか、それでも構わないのだ。

そして、ブログとかで情報発信して、PV数万件でもあればなお良い。

そういう話の方が面白いし、何よりも本心で話せるので、可愛げが伝わる。

建て前的なことを語る堅苦しい人よりも、面白みのある人柄が好まれるのである。

③ベンチャー系での中味の濃いバイト

流石に、ゲームやアニメ、鉄道やラーメンの話は不安であるというのであれば、10人にも満たないベンチャー企業でのアルバイト経験も面白い。

企画、営業、マーケティング、管理と一通りの経営の世界を垣間見ることができるし、IBDのエリート社員が知らない世界であるので、面白いと思う。

対象となるベンチャー企業については、パッションナビで検索してみよう。
www.passion-navi.com

④起業経験を語る

なかなかここまでは出来ないかもしれないが、ベンチャー企業でのバイトを経験して、自ら起業してみるというのも面白い。

プログラミングでできない学生であっても、アフィリエイトサイトとかを作って、月数万円レベルでを狙うことは可能だ。

なお、コンサルと違って、IBDの人は起業とは縁遠い世界である。

従って、そんな大げさなものでなくとも、ネットビジネス関係はそんなに強くないので、ハードルは高くない。

まあ、学生時代に起業がいい線いけば、「この学生は入社してもすぐに辞めるのでは」と勘繰られたりもするので、「自分は小さい会社よりも、大きな会社で働く方が向いていると思った。」というオチで丁度いい。

最後に

野村證券総合職C(インベストメント・バンキング)は、外銀に次ぐ、最高難易度のポジションだ。

高学歴と英語力は最低限度の資格として、十分な対策を対応をすべきである。

もっとも、ESとか面接は、テクニックよりも本質を問われることになるだろうから、マニュアル類とかに依拠することはなく、とにかく、なるべく多くのOBから話を聞いて、具体的なイメージを掴んで、回答内容とかを相談しておくことが重要だろう。

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