東大工学部生の年収へのこだわりに変化の兆しか?一部の者は医師を遥かに凌ぐ高収入も。

1. 偏差値の割に年収に直結しないのが東大工学部?

工学部で日本最難関であり、最高のステイタスを有する東大工学部である。ところが、ここ10年~20年のうちに、理系全体の中では相対的な難易度が低下傾向にある。

というのは、医学部の難易度が継続的に上昇し続け、今や入試難易度において東大工学部(理科1類)を上回る国公立の医学部がいくつも登場してきている。

理由としては、東大工学部を出ても、結局は、大手の製造業に勤める他はなく、年収で見ると偏差値に見合った水準は得られないからだという。

2. そもそも東大工学部の約8割は大学院に進学

医学部は6年間通わないと行けないところ、工学部は普通に4年で卒業できる。しかし、東大工学部の場合には、何と約8割が大学院に進学する。これは、最高学力で日本一の工学部に入れても、4年後に給料さえもらうことができず、反対に、授業料を払い続けなければならないということである。

普通の家庭にとっては厳しい話であり、大学院に行くのが事実上MUSTというのであれば、ますます、それなら医学部に行った方がいいという考えに傾きがちである。

3. 就職先は今でも基本的に大手メーカー中心

それでは、東大工学部の場合、ほとんどが大学院に進学するのであるが、東大工学部の大学院を卒業した後は、どういったところに就職するのだろうか?

東大の公式な開示資料に学部別の就職先を公表したものはないので、東京大学新聞の情報等を基にすると、以下のような企業に数多く就職している。

〇日立

〇トヨタ

〇NTTデータ

〇三菱電機

〇ソニー

〇三菱重工

〇パナソニック

〇中外製薬

これを見ると、NTTデータというのが時代の流れを少し表している気もするが、基本的に、大手の製造業が中心であり、年収としては特別多くのものが得られるわけではない。

4. しかし、一部の工学部生にも変化の兆しが?

多くの工学部生は、従来同様、コンサバな人達が多く、無難に大手の製造業に就職するのがマジョリティである。

しかし、東大法学部生の中には、弁護士や官僚よりも、若くして高給を望める外銀や外コンを志向する生徒も増えてきた。それと似た流れは、一部の工学部生の間にも生じてきているようだ。

昔から、外銀・国内系金融機関で、債券やデリバティブ関連の仕事に就く工学部出身者もいたが、それらに加えて、最近では、外コン(マッキンゼー、BCG、ベイン)に流れる工学部生も増えてきた。

その理由としては、外コン自体が理科系の学生を好む傾向があるのと、採用人数自体を拡大してきたので、自ずと、外コンに流れる東大工学部生が増えてきたのだ。

外コンは外銀と比べると年収では劣るが、20代で1000万円を超え、30半ばまで生き残りプリンシパルあたりまで昇格できると年収は2000万を越え、製造業では役員クラスの年収を若くして手にすることができるのである。

5. もっとも凄いのは、AI関連の起業関係

外コンの年収は、十分高給であるが、AI関係の起業で成功すると、その報酬は桁ハズレである。

一番顕著な例は、PKSHAテクノロジーである。これは、AI技術を強調した、単なる受託開発の会社であるのだが、AIブームと松尾豊准教授のマーケティング力により、利益が数億円レベルであるにもかかわらず、株価時価総額は1000億円を超えている(2018年11月20日現在)。

このため、創業者の上野山氏などの経営者は、100億レベルの億万長者になっている。

他にも、グノシーの創業者の福島氏も松尾豊先生の研究室出身で、大成功を収めている。

これらはごくごく一部かも知れないが、AI関連のプログラミングに秀でた工学部生は、上場企業の社長を遥かに凌ぐ巨万の富を20代で手にすることも可能にしているのだ。

IPOまで行かなくとも、受託開発で年収1億円は珍しくない?

PKSHAとかグノシーみたいな報酬は求めないよ、それに、IPOだと人集めたりVCから資金調達したり面倒くさいよ。

という考えの工学部生も少なくないだろう。

起業というのは工学部でなくて文系でも、ただ企業で働くのと比べて、いろいろと面倒であることは確かだ。そういう学生は、フリーランスで稼ぐという途も残されている。

例えば、NRIあたりで修業をして、チャンスを見て独立するという事例がある。

こちら、年収チャンネルというユニークな、年収と職業についての話をゲストを呼んで開設するYouTubeの番組なのだが、こちらの東大工学部出身者は、NRIを経て、今はフリーランスのプログラマーとして月収(年収ではない!)1000万以上を稼いでいるのである。

www.youtube.com

NRIであれば、普通に勤めているだけで30歳で年収1000万円に達するのであるが、独立すれば青天井なので、それを遥かに上回る年収は可能となる。別にこのレベルまで行かなくとも、受託開発であれば、今なら月商100万とか200万といったレベルであればザラである。

起業・IPO狙いという仰々しいことを狙わなくとも、普通に高年収を狙える機会は十分に出てきているのだ。

7. 課題は経営力と営業力

フリーランスも悪くないと思うけれども、どこからどうやって仕事を受注してくるのか?

自分はエンジニアなのだから営業や対人関係の仕事は苦手だし、やりたくないよという工学部生もいるだろう。

それは、仕事を取るのが得意な人達がいるので、そういった人たちを見つけてそこから仕事をもらえばいいのだ。

もちろん、報酬についてはピンハネをされてしまうわけなのだが、いわば営業のアウトソースという考え方もできるので、十分合理的な選択だ。

実際、営業や経営は苦手で、プログラミングに専念したいという工学部生は少なくないので、そういった営業や経営に長けた企業から仕事をもらってやっている人は多い。

その点、こちらの記事はNewsPicksでも紹介されたものだが、新しい働き方として参考になるだろう。

極めて21世紀的な働き方ではないだろうか?

assist-news.site

経営に秀でた知り合いを探そうとすれば、同じ東大工学部からマッキンゼーとかBCGに就職した同期をたぐってみるのがいいだろう。

マッキンゼーとかBCGは、若いころは薄給激務であり、数年で辞めて独立したり起業する人は普通に多い。

したがって、そういう人たちと交流すると、いろいろと知らない稼ぎ方がわかって面白いと思う。

最後に

最高レベルの学力で、最高の工学部に進学して、更に2年間も余分に勉強して、得られる年収は銀行員よりも少ない。

また、自分より偏差値は下だったにもかかわらず、医学部にいった者は、医者ということで周りからチヤホヤされ、年収も自分たちの倍くらいある。

当然、そういった事実は面白くないし、三菱重工とか日立に行った40代の東大工学部出身者と話してみると、

「今、自分が高校生に戻れば医学部に行く。」ということを言う人は少なくない。

しかし、まだまだ少数派(5%?)かも知れないが、若手の東大工学部出身者で、一旦、ソニーとかNTTデータに勤めたものの、これは面白くないということで、年収を求めてフリーランスになったり、コンサルを目指す人も出てきている。

そして、AI関連でプログラミングが得意な人は、目立たないものの、受託開発で月に数百万円位は稼げてたりする。

東大法学部の、官僚・弁護士から、外銀への流れというのは5年、10年かけて形成されてきたので、年収志向の強い工学部生も今後10年位でかなり増えてくるかも知れない。

学力と年収は無関係なのかもしれないが、やはり相応には稼ぎたいものだ。

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