BlackRock、フィデリティ、PIMCO、Wellington、Alliance Bernstein等、国内外資を問わず様々な会社が存在し、資産運用ビジネスの将来性もポジティブである。
しかも、地味目な業界であるので、外資系証券会社ほどは知られておらず、狙い目の業界と言えるだろう。
しかし、特殊な業界ではあるので、就活に際して押さえておくべき点がある。
1. そもそも、サークル運営ネタは特に面接官に刺さらないのは他の業界と同じ
資産運用会社の特徴は、国内系・外資系を問わず、証券会社と比べて平均年齢が高いことである。悪く言うと、若くして活躍できないということになるし、良く言うと、年をとっても働きやすいということになる。
もともと、サークルは所詮は遊びでお金が動かない、非ビジネスの世界なので、サークル運営自慢は高評価の対象にはなりにくい。
また、面接官が若くないと、「今の時代でもサークルか」ということで新鮮味はますます感じられない。
2. 資産運用業界の特徴は、小規模な組織であること
銀行、証券会社、保険会社と違って、資産運用業界は組織の規模が小さい。
社員数で見ると、最大手の野村アセットで909人、大和投資信託で634人と1000人にも満たない。
3. 外資系運用会社はさらに小規模な組織である
外資系の運用会社は更に、スモールオペレーションであり、外資系運用会社の最大手のBlackRockで341人、フィデリティで246人という社員数である。
外資系の場合、一般的には、50~100人規模の企業が一番多い。
さらに、ヘッジファンドとか、運用資産を債券、不動産、Private Equityに特化したブティック型の運用会社であれば、10~20人規模が多い。
運用会社の場合は、小規模でも一人当たりの運用資産規模(AUM:Asset Under Management)、利益が高いと問題ないので、会社の規模とステイタス・競争力が比例しないのが特徴である。
4. 小さな組織で期待される社員像
上記の通り、外資系の運用会社の場合、社員数が50~100人という規模感が一般的である。
このため、部長といっても、自分を含めて3~4人のチームを運営するケースが多い。
部署にもよるが、営業も、金法、リテール、年金と細分される傾向にあるので、部長と言っても部下は片手で収まる場合が多いのだ。
したがって、求められる社員(管理職)というのは、
小さなチームをうまく回すマネジメント能力と、
自分自身がプレイヤーとして働ける専門的な能力と行動力、
である。
このため、面白いことに、大きな会社の部長(部下が10人程度)の方が、転職の選択肢が減ることも少なくない。
どういうことかというと、大きな組織の部長は自らはマネジメントに徹していて、自ら手を動かすことがないから、プレイング・マネージャーとしてのスキルが不足しているととらえられるからだ。
運用会社の場合は、ヘッジファンドとか、特化系の運用会社の起ち上げで、美味しい話が来たりすることがあるので、自分を含めて数人のチームを率いている方が、「何でも自分でできます」感をアピールできて有利なことが多いのだ。
5. 「100人規模」が意味をなさない理由
上記の説明で明らかだろうが、小規模組織運営が求められる(特に外資系)運用会社にあっては、「100人規模」の運営能力など必要はない。
部下を100人も持てるのは、外資系だと拠点長になってしまうし、国内系でも執行役員以上になってしまう。
従って、上記の背景を踏まえた上で、国内系の運用会社を受ける場合でも、「少人数(5人以下)のゼミで、幹事としてコミュニケーションを密に取りながら運営していました。私は小規模なチーム運営が好きです。」
と言った方が、「こいつ、よくわかっているな」ということになるだろう。
最後に
人数とか規模が大きいから、凄いだろうということにはならない。
業界やポジションによって求めらえるスキル、リーダーシップ観というのは異なっている。
別に、サークル代表をアピールすることは構わないが、それが会社にとってどのような意味があるのかについて十分j考えた上でアピールできているかどうかが勝負の分かれ目となるだろう。
このあたりは、OB訪問等で業界・会社ごとの特性を踏まえた上で準備すべきだろう。