1. わざわざマセラティを買う意味
マセラティというと、典型的なイタ車であり、見栄えはいいがポンコツというイメージであったが、最近は随分と改善されて実用的になったそうだ。
ただ、既にベンツ、BMW、アウディ、ポルシェと多くの外車の選択肢がある中、どういった人がわざわざマセラティを買うのだろうか?
この点、マセラティの正規ディーラーの人によると、ベンツ、BMW、ポルシェは出回り過ぎて希少性が無くなったため、まだまだ保有者が少ないマセラティに乗り換えるのだという。
ポルシェが多いというと意外な感じもするが、東京ではカイエンというSUVが人気で、珍しくなくなってきたのだという。マセラティにも、レヴァンテというSUVがあるので、カイエンからレヴァンテに乗り換える人が最近は多いという。
クルマへの拘りが強く、他の人とは被りたくないという富裕層が、希少性をもとめてマセラティを買うのだろうか?
2. マセラティのラインナップ
マセラティには、ギブリ、クアトロポルテという4ドアセダン、グラントゥーリズモという2ドアクーペに、レヴァンテというSUVの3モデルがある。
しかし、今は2ドアクーペの取扱数は少なく、また、クアトロポルテは大きすぎるために、実質的にはギブリとレヴァンテでほとんどのシェアを占めるという。
マセラティというとスポーツカーのイメージが強いが、SUVの人気は非常に強く、半分強はレヴァンテだという。
マセラティは最低でも1000万円以上する一方、高くても2000万円で収まるため、ベンツやBMWの様なモデル間格差は無いようだ。
3. 売れ筋のギブリを買うには?
ディーラーによると、最初にマセラティを買うとしたら、4ドアセダンのギブリがお勧めだという。
ギブリには、モデナと、モデナのエンジンをパワーアップしたモデナSがあるが、売れ筋はベーシックモデルのモデナだそうだ。
これの車両本体価格は約1200万円で、必要なオプションと諸経費込みで、1300万円強あれば購入できるという。
4. ローンとリセールバリューについて
①ローンの設定はどうか?
マセラティにも当然ローンはある。
2021年11月5日時点において、ローン金利は1.90%であり、残価設定ローンも用意されている。
半分以上の人が残価設定ローンを使用するそうだ。
②リセールバリュー
マセラティというと、故障が多く、ポンコツというイメージであった。従って、中古車価格はかなり値下がりするようなイメージがあったが、正規ディーラーの人によると、ギブリとレヴァンテであれば、5年後の下取りが購入価格の3割と結構良いようだ。3年後には半額弱位が目安のようだ。
まだまだ中古車の流通は少ないために、意外とリセールバリューは悪くは無さそうだ。
5. マセラティ・ギブリ購入のシミュレーション
ギブリのオプション・諸経費込みの価格が1300万円強で、これは、フェラーリ(ローマ)やランボルギーニ(ウラカン)の半額以下だ。結構お買い得かも知れない。
それでも、半分以上の人がローンを使用するということなので、支払金額のシミュレーションをやってみたい。
ギブリの購入価格が1300万円、自己資金800万円位を用意して、500万円を借り入れることとする。上記のローン金利1.90%という想定で、ローン期間36か月で試算すると、月々の支払額は約14万3000円程度である。興味があれば、以下のソフトを使って、シミュレーションをやってみるとよいだろう。
<自動車ローンのシミュレーション>
https://www.michinokubank.co.jp/general/simulation/mycar.html
年収2000万円だとすると、月々の手取りは110万円弱であるが、十分射程圏だろう。
会社経営者で経費が使えると、さらに余裕だろう。
6. 実際のマセラティ・オーナーの年収や職業はどうか?
経済的には、年収2000万円以上あれば手が届きそうだが、実際のところ、マセラティ・オーナーの年収や職業はどんな感じなのだろうか?
この点、正規ディーラーの人によると、半分以上は法人名義の購入者で会社経営者が多いという。また、開業医もそれなりにいるという。
残価設定ローンを使って、法人名義で購入する人が多いということのようだ。
マセラティは、個性的でおしゃれなクルマなので、芸能人とか怪しい自由業系の人が多そうだが、実は、意外と堅めの会社経営者や医者に人気のようだ。
そして、特徴的なのは年齢層の高さだという。
40代後半から、50代が多く、オジサン達に人気のクルマということがうかがえる。
なお、コロナ発生後、オーナーの職業や年収等に大きな変化は無いそうだが、株高で潤った人がキャッシュで買い上げというケースもあるという。
納車時期については、現状では落ち着いており、本社に発注すると半年位かかるが、在庫があるモデルを選択すると、2週間程度で納車されるという。
フェラーリの2年、ランボルギーニの10か月と比べると、この点は魅力だ。
7. 頑張れば手が届く、憧れのクルマ?
以上より、マセラティは年収2000万円もあれば十分に買えそうだ。
ローンを使えば、月々十数万円で何とかなる。この点は、1500万円以上の頭金を入れても、月々30万円も40万円も払わなければならないフェラーリやランボルギーニとは全然違う。
<フェラーリを買う人の年収と職業>
https://career21.jp/2018-10-04-160210/
<ランボルギーニを買う人の年収と職業>
https://career21.jp/2018-10-09-143404/
普通の開業医、外資系金融の管理職、そこそこ儲かっている会社経営者であれば購入可能なので、頑張れば手が届くクルマではないだろうか。
とはいえ、サラリーマンだとちょっと厳しい価格帯かも知れないが…
ベンツやBMWのセダン、ポルシェのカイエンと比べても、マセラティは派手さがあってインパクトが強いので、クルマでエッジを効かせたいという人にはお勧めである。