今でも就職人気企業ランキング上位の損保。将来のキャリアを見据えた上でも、課題山積の損保を目指して就活しますか?

最も安定しているような業界にも見えて、課題山積の損保業界

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このニュースは損保業界の問題点を示す一つの事実に過ぎず、監督官庁である金融庁も金融業界においては、地銀と並んで損保業界にフォーカスしている。

乗合代理店問題については昨年位から検査を強化しており、乗合代理店だけではなく、保険商品供給業者である損保自体も検査・監督の対象になっている。

また、リスクが高い外貨建ての保険商品の販売管理の問題、中小企業向けの節税目的の保険商品の件、マネロンの管理態勢など、保険業界においては多くのチェックポイントがある。

2030年を想定に自動運転の普及によって、主力の自動車保険ビジネスに影響も

自動運転がいつ頃普及するか、また、どういった影響が生じるかについては今のところはっきりした回答は得られない。しかし、損保業界は2030年頃の自動運転の普及も想定した対応を取り始めている。自動車保険は損保にとってのメインビジネスであるので、自動運転によって保険収入が減る可能性があるのはリスクファクターである。

国内市場が縮小するのは明らかなので、海外の保険会社のM&Aを実施しているが、海外企業の買い案件は非常に難易度が高い

国内での保険事業の拡大が難しいので、損保各社は海外での事業拡大に向けてM&Aを積極化している。

しかし、海外の買収案件、特に金融業の買収の難易度は極めて高い。

野村證券の旧リーマンブラザーズの買収もそうだし、UBSやドイツ証券等の欧州系巨大銀行も海外の大型買収で失敗して痛い目にあったことは周知の事実である。

海外の大型買収は将来の特損リスクにつながりやすいことを留意すべきである。

業界の将来性が厳しいこととは別に、損保でどういったスキルが習得できるか?

損保業界で働くことによるスキルは保険ビジネス理解以外に何があるだろうか?

これは銀行と同様であるが、国内事業が中心なので、英語ができない人が多い。それ以前に、外資系損保は少ないので、外資系への転職が難しい。

また、銀行員の場合は融資業務を通じて、ある程度の財務諸表や経理の基本は学べるが、損保はそれさえも学べない。従って、20代のポテンシャル採用と言っても、経理職は厳しいのではないだろうか?

リーマンショック前に、不良債権投資等によって成功した元銀行員の外資系証券の幹部はいるが、元損保で外資系証券或いは外資系運用会社で成功した人は聞いたことがない。

とはいえ、東京海上日動は別格なので惹かれる気持ちもわかるが…

以上のように業界の将来性、個人のスキル習得の難しさに伴う転職能力の低さという問題点があるが、損保業界の待遇の良さに惹かれる気持ちはわかる。

給与水準は高いし、銀行と違って基本終身雇用だ。

特に、東京海上日動は給与水準も頭一つ出ているし、企業名のブランド価値もダントツ高い。東京海上日動の名前をもらって、50歳で2000万もの年収が得られるのであれば、転勤とかスキルが付かない点に目をつぶっても就職したくなるだろう。

損保業界が厳しいと言ってもすぐに無くなるわけでもないので、そこは割り切って、行ってみるということだろうか?

東大、東京海上日動、年収1800万円の40代の管理職の場合、外資系金融、外資系コンサルへの転職はまず不可能だ。ベンチャーは採用してもらえるとしても、年俸ダウンを考えれば行く気はしないだろう。

トップ学生はその点どのように考えているのだろうか?