20代の銀行員がベンチャー企業に転職する際の留意点。「市場価値」に給与が見合うとは限らない。

お金ではなく、やりがいを求めてベンチャー企業に移った銀行員もいるが…

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この記事は、メガバンクからベンチャー企業へ転職した人の一例に過ぎない。

当然、満足している人もいるだろう。

ただ、この方の後悔している原因が他の銀行員にもあてはまり得るものなので、紹介してみた。

「やりがい」を重視するのは当然いいことだが、それは十分条件ではない

やりがいを重視して転職するのは理解できるが、それは転職を決定するうえで十分条件ではない。現時点では年収が下がったとしても、ストック・オプションが付与される、或いは将来期には年収が増える見込みがあるなど、年収においても魅力がなければ安易にメガバンクを捨ててまで転職するのはおすすめできない。

「やりがい」というのは入ってみないとわからないし、純粋に主観的な要素なので、簡単に変わり得るからだ。

確かに、メガバンクの仕事に面白みや将来性を感じることができず、「やりがい」を他の会社で追求したいという心情は理解できる。しかし、ベンチャー企業に入ったからといって「やりがい」が保証されるわけではない。そのポジションに就いてみて初めて、その仕事の内容が実感できるからだ。

また、ベンチャー企業の場合には、外部環境や流行によって大きく経営環境が左右される。従って、外部環境の変化によってその業態が下火になれば、「やりがい」は簡単に吹っ飛んでしまう。

特に、今のメガバンクの仕事が嫌だから、「やりがい」という名目でベンチャーを物色するのは要注意。

純粋にやりたい仕事とか、昔から憧れている仕事があって、そちらを追求する場合ならともかく、現状が嫌だから、他で「やりがい」を見つけたいからとりあえずベンチャーに行こうというのは特に危険である。

こちらの座談会でもあるが、ベンチャー企業は経営資源に乏しく、ネームバリューや人的資源、資金が不十分なので、イメージと実態が異なることも少なくない。

それに、ベンチャーで失敗した場合には、単に経歴が汚れるだけの場合も多い。

私は元メガバンクではなく元証券会社出身であるが、若い時にベンチャーに行った同僚を2人知っている。しかし、二人ともそのベンチャーが成功せず、キャリアダウンになったケースを見てきた。
大手に戻ろうとしても採用側は、「大手を飛び出してベンチャーに行くなんて度胸と勇気が素晴らしい」とは全く思ってくれないのだ。

また、「市場価値」も同様に主観的な概念である。自分が上がった積りでも、周りも同じように評価してくれるとは限らない。

それから、インタビュー記事とかを見ていると、給料はメガバンクの時よりも下がったが、将来は市場価値を上げてそれに見合った報酬をもらえるからいいのだという意見の人を見かける。

しかし、「市場価値」とは自分の頑張りだけでは決まらない。その業界、企業、職種によって大いに左右される。従って、自分では市場価値をあげたつもりになっていても、それに見合う給料が保証されるものではない。

そのようなことを踏まえると、少なくともストック・オプションはもらっておかないとリスク・リターン的に合わないのだ。

ストック・オプションをもらえないということは、大して重要ではないポジションだからとも考えらえる。ベンチャーに行って重要ではないポジションにしか就けないというのであれば、行く意味はないだろう。

そのように考えると、転職する際には「やりがい」「市場価値」という曖昧な概念に惑わされず、冷静な判断が求めらえる。