トップ学生の就活人気はあまりにもコンサルに偏り過ぎ。外資以外のコンサルの過大評価には疑問
こちらワンキャリアというユニークな会社が公表している直近のトップ学生の就活人気ランキングである。これを見るとあまりにもコンサルが評価されて過ぎているのが気になる。
マッキンゼー、BCG、ベイン、ATカーニーは理解できる。20年位以上も前から超難関であった狭き門であり、グローバル・ファームだからである。
国内系、会計事務所系は過剰評価ではないか?
ところが、アクセンチュア、デロイトは外資系上位3社と同列で扱うのはどうだろうか?まず、給与水準が全然違うし、ネームバリューも違う。それは海外においても同様だ。
さらに、経営共創基盤に至っては、なお理解不能である。確かに、元BCGの富山さんらが設立した特色のあるファームであることには違いないが、給与水準は著しく落ちるし、そもそも海外だと誰も知らない。
これは、トップ10には入っていないが上位にランクされている、PwC、KPMGといった他の会計事務所系や、ドリームインキュベータのような国内独立系にもあてはまる。
何よりも中途採用でのネームバリューが同じではないはず。
まあ、会計事務所系や国内独立系のコンサルまで、これほどランキングの上位にあるのは、外資コンサルに連れ高しているのだろう。昔よりは大幅に定員が増えたとは言え、外資コンサルの採用数の合計は少ない。したがって、それらと併願して内定をもらえなかったトップ学生がどっと押し寄せるのであろう。
しかし、それは勿体ない話である。トップ校での評価は高くても、外部の評価、特に中途採用での評価はそこまで高くないはずだ。コンサルというだけで何でも採用してくれるわけではない。
コンサル志望の学生は、終身雇用ではなく、途中でキャリアアップを考えている学生が多いのであろうから、中途採用での可能性をもっと考慮したほうがいいのではないか?
例えば、優良ベンチャー企業の経営企画職或いは事業開発のポジションを狙うのはどうか?
コンサルを狙うような野心のある学生は、30歳前後でベンチャー企業の幹部を狙えるポジションに就いた方がいいのではないか?
有力ベンチャー企業の中途採用の募集条項を見ればわかるが、たいていの会社に経営企画/事業開発ポジションがある。したがって、コンサルではなく、有力ベンチャー企業で実務経験と実績を積んだ方が成功への早道ではないだろうか?
インターネット・ベンチャー業界は極めて狭い世界なので、コンサルに行くくらいならその業界で経験を積んだほうが人脈形成という点においても有利であろう。
優良ベンチャー企業の例としては、以下の企業が挙げられる。
〇メルカリ
〇ビットフライヤー
〇アカツキ
〇サイバーエージェント
〇HEROZ
〇マネーフォワード
他にもいろいろあるだろうが、ポイントとして、
①現在も成長中である
②新規事業に熱心で変なM&Aで失敗していない
③非上場あるいは上場したばかりで、企業自体が硬直化していない(CAは例外)
このため、DeNA、mixi、グリーのように新規事業で行き詰っている企業は除いてみた。
このあたりを相談できるようなキャリアの人が周りにいないのが問題
ただ、学生が気の毒なのは、このような提案をしてくれるような社会人が周りにいないことである。東大や京大はほとんどが大企業に行くのでベンチャー企業で活躍している人の比率は低い。特に、京大の場合、立地的に有力ベンチャー企業がないのでますますこのあたりを教えてくれる人は少ないだろう。
このランキングを公表しているワンキャリアという会社はトップ学生に向けて、いろいろな独自の情報や視点を提供しているので、学生も大いに活用すべきだろう。