ポテンシャル採用をしてもらえる20代
銀行員の転職が難しいことについては、いろいろとWebメディアでも取り上げられている。しかし、20代となると話は別だ。まだポテンシャル採用をしてもらえる年代だし、日本の場合優秀な学生は一旦大手に就職するとされているので、人材不足のベンチャー企業からは銀行員も重宝してもらえる可能性はあるのだ。
まず、条件設定をしてみる。
まず最初に、ベンチャー企業への転身を考えている銀行員A君について条件設定をしてみる。
〇年齢25歳(入社3年目)
〇慶応大学経済学部卒(プログラミングはできない)
〇三菱UFJ銀行(銀行の中ではトップブランド)
〇リテール店勤務(2ケ店目)
A君は、皆の憧れの慶応大学経済学部卒で三菱UFJ銀行勤務の25歳。学生の時は就活の勝ち組ということで鼻高々であった。ところが、いざ就職してみると、つまらないリテール関連の配属で2ヶ店目の異動先も普通のリテール店舗であった。他方、東大や同じ慶応でも一部の者は本部への配属になった者もいる。また、大学の同級生たちも、証券会社に行って投資銀行部門で働いていたり、大手ベンチャー企業で新規事業開発に従事している話を聞くと、「俺はこのままでいいのか?」という危機感をもっても不思議ではない。自分もベンチャーで一発逆転したいとも思い始める頃だ。
しかし、彼はベンチャーのことは何もわからないので、どういいた準備をすればいいのだろうか?
先ずは、ベンチャー企業関連のイベントに行ってベンチャー企業の雰囲気をつかもう
A君が最初にすべき活動は、ベンチャー企業の雰囲気をつかむことだろう。どのような人がどのようなことをやっているのか見聞してみることだ。
例えば、VC(ベンチャーキャピタル)主催で、無料で誰でも参加できるイベントがあるので是非行ってみるべきだ。
上記は、インキュベイトファンドとサムライインキュベートという、日本のスタートアップ投資ファンドの草分けだ。これらの団体は若手にもフレンドリーなので、是非出席して雰囲気をつかんで欲しい。
次に、専門スキル磨きだ。~財務分析能力の向上~
25歳という若さではこれといったスキルは無くてもポテンシャルで見てもらえるが、そうはいっても何らかの最低限の普遍的なスキルはもっておきたい。銀行員の場合、最低限の会計力はあるから、そちらを身が磨いておきたい。
具体的には銀行員は、株式関連の知識が弱いと考えらる。それは当然で、銀行法上銀行員は株式関連業務を経験できないからだ。しかし、ベンチャー企業では、IPOの準備、IR、財務戦略のお手伝いをCFOの下、期待されることがある。従って、株価評価やIPOの手続き周りを勉強しておくことがおすすめだ。
少なくとも、ベンチャー志望であれば、この本は読んでおきたい。
https://www.amazon.co.jp/起業のエクイティ・ファイナンス-経済革命のための株式と契約-磯崎-哲也/dp/4478028257
あと、大事なのはプレゼンテーション能力。これは一生使えるスキルなので、若いうちに身に着けておくと大きな武器になる。
A君の25歳という若さを考えると、今のうちに是非とも身につけておきたいのがプレゼンテーション能力だ。日本人はハイスペックのエリートサラリーマンでも光るプレゼンをできる人は本当に少ない。
これは、TEDとかの本を読んでもなかなか身に付かないので、ここはスクールに行くのをお勧めする。これはグロービスのものは、隔週で全6回のプレゼンテーションのクラスを受講できる。四半期ごとに開催だし、振替で他の日のクラスに変更することもできるなど極めて便利だ。
費用は12万6000円だが、銀行員からするとどうってことない投資額だし、回収するのは簡単だろう。
そして、一通りの準備ができたら、情報収集である。片っ端から転職エージェントにあたろう。
基本的な、株式等の財務スキル、プレゼンテーションスキルを身に付ければ、いよいよ具体的な情報収集開始だ。ベンチャー企業のポジションについては、とにかく、数多くの転職エージェントにあたる他はない。
リクルートのような大手に加えて、ベンチャーに強いエージェントも含めて登録してみるのが良い。
<転職エージェントの例>
〇リクルート
〇マイナビ
〇TYPE
〇DODA
〇エン・ジャパン
〇Green
〇キープレイヤーズ
〇プロコミット
それから、ウォンテッドリーのアプリのダウンロードと登録も必須だ。
また、中小転職エージェントのプラットフォームであるビズリーチへの登録もおすすめである。有料会員になる必要は無い。
良さそうなポジションを取捨選択し、まず話を聞きに行ってみよう
上記の転職エージェントやウォンテッドリーで求人ポジションが見つかれば、取捨選択して、実際に話を聞きに行ってみればよい。その段階で決める必要は無く、そもそも自分はベンチャーに合っているのかを含め、いろいろと考察する良い機会になるはずだ。